column( コラム )
万博や五輪はチャンスか試練か?──大規模イベントが民泊市場に与える影響

2025年に大阪で開催される「大阪・関西万博」や、昨年夏の「パリ五輪」など、世界規模の国際イベントは開催都市の経済に莫大な消費効果をもたらします。一方で、宿泊インフラの逼迫や価格の高騰といった課題も伴い、民泊業界にも大きな影響を与える局面となります。
今回は大阪万博を中心に、こうした国際イベントが民泊運営にどう作用するかを見ていきましょう。
万博開催がもたらす宿泊需要の爆発
2025年4月13日〜10月13日にかけて開催される「大阪・関西万博」には、国内外から約2,820万人の来場が見込まれており、そのうち350万人以上が海外からの訪問者と予想されています。この規模は、観光需要の急増を意味し、大阪の宿泊施設に大きな負荷がかかることは明らかです。
特に近隣ホテルでは宿泊料金が1泊2万円を超えるなど、すでに価格の高騰が報告されています。予約困難な状況が続けば、民泊が代替手段として注目されるのは当然の流れです。
民泊が担う“受け皿”としての役割
民泊は、ホテルの供給不足を補う存在として機能します。関西圏ではコロナ禍以降、民泊物件数が以前ほど回復していないにもかかわらず、万博による宿泊需要が集中することで、
- 物件数の再拡大
- 高単価運用のチャンス
- 長期滞在者の取り込み
など、運営者にとっては絶好の好機となります。特に、会場からアクセスの良い周辺エリア(奈良・和歌山・神戸など)での運用は、価格競争力と利便性のバランスがとれた有望な選択肢です。
課題:価格高騰と地域との軋轢
イベント開催による民泊需要の急増は、メリットだけでなく、
- 高騰した宿泊費によるゲストの不満
- 騒音やゴミ問題など、地域とのトラブル
- 一時的なブーム後の稼働率低下
といったリスクも伴います。短期的な収益追求だけでなく、長期的な視野での運営設計が不可欠です。
国際イベントと民泊市場の今後
過去にオリンピックが開催された東京やロンドンでも、イベント前後での民泊規制や価格変動、投資判断に揺れた事例があります。大阪も例外ではなく、万博後に宿泊需給バランスが大きく変わる可能性も。
持続可能な民泊運営のためには、
- 一時的な収益をどう事業継続につなげるか
- ゲスト対応と地域連携の強化
- イベント終了後の“次の一手”をどう打つか
が鍵になります。
まとめ:イベントを追い風に変えるには?
大規模イベントは、民泊運営者にとってリスクとチャンスの両面を持ちます。TOCORO.では、イベントによる一時的な需要だけでなく、地域に根ざした継続的な集客と、ゲスト満足度の高い運営設計を重視しています。
万博のような巨大な波に乗るためには、今から準備を進め、機動的に対応できる運営体制が求められます。
Contact
サービス・その他に関するお問い合わせは
リンクフォームからお問い合わせください。