column( コラム )

民泊

拡大するインバウンドと日本観光の課題──オーバーツーリズムをどう乗り越えるか

拡大するインバウンドと日本観光の課題──オーバーツーリズムをどう乗り越えるか

◆ 訪日外国人の急回復と新たなステージ

日本政府観光局(JNTO)が発表した7月の訪日客数は343万人。10カ月連続で300万人を超え、7月としては過去最多を更新しました。
2025年上半期(1〜6月)の累計は前年比21%増の2151万人、1〜7月の累計では2495万人に達し、通年で4000万人を突破する可能性も見えてきています。

コロナ禍で壊滅的だった観光業は急速に復活し、国際旅行収支の黒字化を支える重要な柱となりつつあります。しかし、その反面で**「急すぎる回復」**が生む歪みも顕在化しています。


◆ オーバーツーリズムの影と地域格差

東京・京都・大阪・沖縄などの人気観光地は、すでにオーバーツーリズムの問題に直面。
宿泊施設や交通機関の逼迫に加え、地域住民との摩擦も増えています。東京都では宿泊者の約6割が外国人となり、地元生活圏との共存が大きな課題になっています。

一方で、地方にはまだまだ空室が目立ち、観光客が足を運んでいないエリアも少なくありません。需要が都市部に集中することで、地域間の格差が拡大しているのが現状です。


◆ 旅行者ニーズの変化──“体験消費”へ

百貨店の免税品販売が減少する一方、体験型の消費は拡大傾向にあります。
訪日客は単なる「買い物」ではなく、日本ならではの文化・伝統・自然体験を重視するようになっています。河口湖の民泊やグランピング、京都の伝統文化体験、地方での食文化や農業体験などは、まさにこの流れに合致した魅力的なコンテンツです。

地方の宿泊施設不足を補いながら、体験型観光を充実させることが、観光立国の持続的な成長につながります。


◆ 解決策:インフラ整備とルールづくり

今後さらに訪日客数が増えることを見据えると、受け入れ体制の強化が急務です。

  1. 交通の強化:地方交通網の不足解消には、ライドシェアの解禁や地域公共交通の再編が有効。

  2. 宿泊の分散:大都市だけでなく、地方の宿泊施設を充実させ、観光の分散を促進。

  3. ルールの明文化:マナー問題への対応として、シンガポールやハワイのように公共空間のルールを明確化。外国人にもわかりやすく示すことで、摩擦を軽減。

  4. 財源の確保:宿泊税や観光税を活用し、インフラ整備や地域保全に再投資。

こうした政策を通じて、オーバーツーリズムを緩和しつつ、観光需要を持続的に取り込むことができます。


◆ 展望:4000万人から6000万人時代へ

日本旅行業協会(JATA)は、2025年に4000万人超え、2028年には6000万人台に到達すると予測しています。
これは単なる「数の拡大」ではなく、質の転換点でもあります。人数だけを追うのではなく、消費の内実・地域分散・外国人との共生をどう実現するかが今後の焦点です。

オーバーツーリズムを放置すれば地域社会に亀裂を生みますが、適切な受け入れとルールづくりが進めば、日本全体が恩恵を享受できる観光立国に進化するでしょう。


◆ まとめ

インバウンド需要の拡大は、日本経済にとって大きなチャンスであると同時に、地域社会との共存を試される局面です。
河口湖のように「自然+体験」を提供できる地域こそ、観光の分散化と体験価値の両面で重要な役割を担います。

「数」から「質」へ──。 いま、日本の観光は転換点に立っています。

TOCORO.では富士山周辺でどこよりもお安くご予約できるサイトを運営しております。

是非この機会にこちらからご予約ください。

 

 

このたび、株式会社TOCORO.代表取締役の田辺大地が、TOKYO MXの地上波番組「企業家たちの挑戦ストーリー」に出演いたしました。
番組内では、創業に至る経緯や、地域とともに成長する企業を目指すTOCORO.のビジョンについて語らせていただきました。また、河口湖での実際の民泊の売上実績なども紹介させて頂きました。
放送をご覧いただいた皆さま、そして日頃から応援してくださる皆さまに、心より感謝申し上げます。
今後も、河口湖から世界に向けて魅力を発信し続けてまいりますので、引き続きご支援賜りますようお願い申し上げます。

 

また、本番組の内容は、TOKYO MX公式YouTubeチャンネル「企業家たちの挑戦ストーリー」でもご覧いただけます。
放送を見逃した方や、改めてご覧になりたい方は、ぜひこちらからご視聴ください。


Contact

サービス・その他に関するお問い合わせは
リンクフォームからお問い合わせください。

contact us