column( コラム )
東京都の宿泊税見直しで、民泊オーナーが知っておくべきこと

東京都は2025年11月に「宿泊税の見直し(素案)」を公表し、民泊(住宅宿泊事業など)も課税対象に追加する方向を示しました。都の報道発表では、今後は都議会での条例改正・総務省との協議を経て、2027年度中の施行を目指す流れです。
1) いちばん大きい変更点は「民泊も対象になる」こと
これまで東京都の宿泊税は、主に旅館・ホテルを前提にした制度でしたが、見直し案では**「簡易宿所や民泊の利用も課税対象に追加」**と明記されています。東京都は、施設種別を問わず公平に負担を求める考え方を示しています。
民泊オーナーにとっては、これが最大のポイントです。
「ホテルだけの話」ではなく、届出民泊も実務対応が必要になる可能性が高いということです。
2) 税額の考え方が「定額」から「3%の定率」に変わる方向
現行制度は、
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1人1泊 1万円未満:非課税
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1万円以上1万5000円未満:100円
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1万5000円以上:200円
という定額制です。
見直し案では、これを一律3%の定率方式に変更する方向です。都は公平性・中立性・制度の簡素さを理由に挙げています。
つまり、民泊オーナー目線では
「高単価で売るほど税額も上がる」
という設計になります。
3) 非課税ラインは「1万円 → 1万3000円」に引き上げ予定
一方で、課税免除基準は1人1泊1万円未満 → 1万3000円未満へ引き上げる案です。東京都は、宿泊料金の上昇や修学旅行などへの配慮も踏まえた整理をしています。
民泊オーナー目線では、ここは実は重要です。
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**低単価帯(1人単価1.3万円未満)**の案件は非課税に収まるケースがある
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高単価帯・繁忙期価格は課税対象になりやすい
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同じ1棟貸しでも、人数構成で1人あたり単価が変わるので、税額の見え方が変わる
特に河口湖や都内のように、繁忙日と平日で価格差が大きい物件は、日別の価格設計と税負担の関係を見ておく必要があります。
4) 民泊は「税務調査・適正運営チェック」の文脈でも見られる
東京都の資料では、民泊を課税対象に加える理由として、税収面だけでなく、税務調査を通じた適正な手続・申告納入の確保も書かれています。さらに、都の使途方針には「民泊の適正運営の確保」も入っています。
ここはオーナーにとって大事で、今後は
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宿泊実績の管理
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申告・納入の正確性
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管理会社との役割分担
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予約チャネルごとの売上把握
が、より重要になります。
“ちゃんと運営している事業者ほど対応しやすく、雑な運営ほど厳しくなる” 方向だと考えておくのが安全です。
5) 価格表示とゲスト説明の設計が重要になる
定率課税になると、民泊では特に
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宿泊料
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清掃費
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サービス料
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税金(宿泊税)
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OTA手数料表示(ゲスト側表示)
の見え方が複雑になりやすいです。
東京都の制度詳細(何を課税対象の宿泊料金に含めるか等)は、今後の制度設計・運用ルールの確認が必要ですが、オーナー実務としては先に準備できます。
「税抜/税込の見せ方」「予約時の説明」「現地徴収の有無(制度仕様次第)」 を、管理会社やシステム側と整理しておくべきです。
民泊オーナーが今からやるべき準備(実務)
① 価格表を“税前提”で見直す
特に都内物件は、繁忙期の高単価販売で税額が増えます。
**「売上が伸びたのに利益が残らない」**を防ぐために、宿泊税込みで利益計算を見直すのが先です。
② 管理会社に確認する
管理委託している場合は、次を確認しておくと安心です。
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宿泊税の申告・納付の主体は誰か
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売上データの集計方法(OTA別)
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ゲストへの表示・説明方法
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制度施行時の切替対応
③ 1人単価の設計を見直す
1棟貸し民泊は、同じ1泊料金でも人数で1人単価が大きく変わります。
人数設定・最低宿泊人数・料金設計を見直すと、収益性が改善するケースがあります。
④ 制度開始前に“運営の整備”をしておく
東京都は、見直しの背景として民泊の適正運営にも触れています。今後は税だけでなく、運営品質も見られやすくなります。
ルール順守・近隣対応・報告体制を整えている物件は、むしろ強いです。
TOCORO.視点での見方
今回の見直しは、民泊オーナーにとって負担増の話に見えますが、見方を変えると**「運営の質で差がつく時代に入る」**ということです。
制度が整うほど、
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価格設定が雑
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申告管理が弱い
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近隣対応が弱い
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なんとなく運営している
という物件は厳しくなります。
逆に、数字管理・価格設計・運営品質が整っているオーナー/管理会社は強くなる流れです。
民泊はまだまだチャンスがあります。大事なのは、「税が増えるから終わり」ではなく、制度変更を前提に収益設計をアップデートすることです。
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