column( コラム )
「風評被害」に勝つ──デマ・予言が観光業に与える影響と対応策

2025年の夏、日本の観光業界はある“噂”に大きく揺れている。SNSや一部メディアで拡散された「7月に関東で大地震が起きる」という予言・デマ情報が、想像以上の影響を与え始めている。
実際、6月に入ってから一部のAirbnbホストや宿泊施設運営者の間では「7月の予約が急減している」「香港・台湾・韓国からのゲストが例年より少ない」という声が上がっている。
飛行機の減便と外国人観光客のキャンセル
例えば、LCC各社を中心に一部の国際線で7月の運航本数を見直す動きも出ている。これは単なる“需要減”というより、「地震予言」を理由にした旅行回避の現れと見られる。
台湾や韓国の旅行者の中には、比較的地震リスクへの警戒感が強い層も多く、SNS上の不確かな情報が「旅行中止」の直接的な理由になることも珍しくない。
特に都市圏や高層ビル密集地、海に近いエリアの宿泊施設ほど影響を受けやすく、一部の施設ではキャンセル率が急増しているという報告もある。
デマがもたらす“目に見えない危機”
こうした“予言”や“陰謀論”は一見荒唐無稽だが、広がり方次第では観光需要に現実的な影響を及ぼす。SNS時代においては、科学的根拠がなくとも「心理的トリガー」が働き、特にインバウンド市場では不安を過剰に増幅させてしまう。
2020年の新型コロナ初期にも、感染に関する不確かな情報が一部エリアへの旅行忌避を招き、宿泊キャンセルが相次いだケースは記憶に新しい。
事業者としてできること──情報発信と信頼の構築
このような状況下で重要になるのが、「科学的根拠に基づいた冷静な情報提供」と「信頼されるホストであること」だ。
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キャンセルポリシーの見直し:柔軟なポリシーを設定することでゲストの不安を和らげ、予約ハードルを下げる。
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安全対策の明記:避難経路、非常時の連絡体制、備蓄品の有無などをAirbnbや自社サイトに明示し、「万が一」への備えをアピール。
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SNSやブログでの情報発信:地域の安全性や災害対策を専門家の情報とともに発信し、ホストとしての信頼性を高める。
地方の宿はチャンスに変えられる
一方で、河口湖のような自然豊かで都市圏から適度な距離がある地域では、「避暑地」「安全な避難的滞在先」としての需要がじわじわと高まる可能性もある。
実際、TOCORO.が運営する施設では、7月の予約動向に多少の揺らぎは見られるものの、リピーターや国内旅行者を中心に安定した予約が入っている。
まとめ:風評に飲まれず、事実と信頼で守る
観光業界において、風評被害は“見えにくいリスク”として常につきまとう。しかしそれに飲み込まれるのではなく、正確な情報・信頼構築・柔軟な対応をもって対抗することが、経営者としての真価が問われる瞬間だ。
TOCORO.では、価格の変動やキャンセルポリシーの調整を素早く行う体制を整え、地域の平均稼働率を上回る高稼働を維持しています。
こうした“状況に応じた柔軟な運営力”こそが、逆風を乗り越える最大の武器なのです。
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