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「閑散期の落とし穴」から脱出せよ──2月・3月に効く広告とコンテンツ戦略

宿泊業界における2月〜3月は、閑散期特有の課題が浮き彫りになる季節です。特に2025年のこの時期は全国的な冷え込みも重なり、宿泊予約広告のクリック率やコンバージョン率が前年よりも大きく落ち込みました。
「季節要因だから仕方ない」と片付けてしまうのは簡単ですが、実際は“広告やコンテンツそのもののあり方”が問われていると見るべきでしょう。本コラムでは、閑散期を乗り切るための広告とコンテンツの戦略を掘り下げていきます。
なぜ2月・3月は広告効果が落ちるのか?
① 気温低下による旅行モチベーションの低下
スキーや温泉地以外のエリアでは、「寒さ」そのものが旅行意欲を削ぐ要因となります。特にカップル・家族連れなど“気軽な外出”を求める層が減る傾向にあります。
② 季節に合った広告素材が不足
春を感じさせるにはまだ早く、雪景色や“暖かみのある室内”といったビジュアル訴求が不足しがち。SNS広告やバナーでも、寒々しい写真では目を止めてもらえません。
③ 消費心理の変化
1月は初売り・お年玉などで「衝動買い」が起こりやすい一方、2月は消費者が一旦財布の紐を締める月。ここで“感情訴求だけ”の広告を打っても反応が鈍くなるのです。
広告戦略は「感情×論理」のバランスが鍵
「広告は感情で動かす時代」から「感情+合理性で納得させる時代」へと移行しているとの見解です。閑散期ほど、以下のような戦略が求められます。
1. 直感訴求だけに頼らない広告文・LP設計
「癒し」「自然」などの曖昧な言葉ではなく、
- 実際の割引額や特典の明示
- 宿泊体験の流れ(例:15:00チェックイン→夕食→貸切風呂→朝食)
- 周辺施設とのセット利用例(温泉・観光)
など、“利用イメージ”を具体化できる設計が必要です。
2. シーズナル素材を月別に用意しておく
雪景色の露天風呂、こたつで過ごす部屋、地元の冬グルメなど、冬にしか出せない魅力を“見せる”素材を撮り溜めしておくことで、来季の広告準備にも役立ちます。
3. スマホ視点で“流し見防止”を意識する
情報過多の中で「スルーされない」には、
- 1秒で魅力が伝わる写真・コピー
- ストーリー性のある構成(チェックイン〜滞在〜チェックアウト)
- 特典・料金が一目でわかるUI が重要です。
まとめ:閑散期こそ広告と中身を磨く時期
旅行需要が減る2〜3月は、「広告の真価」が問われる時期。見た目だけでなく“選ばれる理由”をしっかり伝えることで、限られた需要を確実に獲得できます。
TOCORO.が運営する施設では、ほとんどの物件が2月・3月も稼働率80%以上という高水準をキープしています。適切な戦略を持って臨めば、閑散期でもしっかりと成果を出すことができるのです。
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